死んだら終わり
テレビゲームの中の世界ではキャラクターが死んでも生き返ったり、生き返るという描写はなくとも何度でもやり直すことが出来る。
それに引き換え人生というのは一度ミスして死んでしまったらそこで終わりだ。
誰しも一歩間違えば死んでいたという経験が1つや2つはあるのではないだろうか。私の場合はパッと思いつくだけで3つある。
・小さい頃に十円玉を飲み込んでしまって窒息しかける
・チャリで急な坂道を下ってたときに段差に気づかずハンドルを取られ、電柱にぶつかって頭から血を流し救急車で運ばれる
・出勤中に極限まで我慢したうんこをしようと職場のトイレの個室に駆け込んで、鍵をかけてズボンを下げてる途中でパンツに漏らす
このように、振り返ってみれば当たり前のように生きている今は、運が良かったからというべきか運が悪くなかったからというべきか、それぞれのシーンで死ななかったからこそ続いている。
別に死んでしまったら無に帰るだけなんだから死んでもいいじゃんという考え方も正しいのかもしれない。
しかし自分をゲームの主人公に置き換えて表現するとしたら、途中で死ななかった場合のエンディングまでのシナリオを全部観たいと思うのである。
中学生の頃、何か面白そうなゲームがないかなとゲーム屋さんの棚を眺めていた私の目に飛び込んできたのが新品のこいつだった。
確かフルプライスの6800円で母親に買ってもらったと思う。
ワクワクしながらプレイし始めた私だったが、異変に気付くのに時間はかからなかった。
どう考えてもクソゲーなのだ。
RPGなのにすごろくみたいな簡略化されたマップの上をチョコチョコ進むのがメインで、会話やイベントも3Dグラフィックでは無く紙芝居で繰り広げられる。
戦闘も特に他の同ジャンルのゲームに優っている要素があるとは思えず中毒性は感じられず、シナリオも続きが気になるような魅力的なものではない。
褒められるのはキャラデザとBGMくらいのもんであった。
そして程なくしてこのゲームがクソゲーであることを裏付ける出来事が起きた。
発売から数ヶ月で980円やらで投げ売りされるようになったのである。
当然エンディングまで辿り着いた者はかなり少なかっただろう。
そしてこの文章もまたエンディングを迎えることはなさそうである。死んだら終わりというテーマでノープランで書き始めたはいいが、何が言いたいのか23時40分時点で全くわからんのである。
書き直す時間も推敲する時間もない。
この文章はアンリミテッドサガ以下だが、人生はアンリミテッドサガ以上のものにしたいと思う。
そのためにも死んだら終わりの人生を、どうにか生き続けたいものである。